更新日:2026年5月1日
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GitLab 18.11で新たに導入された支出上限とユーザーごとのクレジット上限により、組織はGitLab Duo Agent Platformを安心してスケールできる予算ガードレールを手に入れます。AIへの支出を予測可能に保ちながら、より多くのチームへの展開を実現します。

GitLab Duo Agent PlatformとともにオンデマンドのGitLabクレジットを活用しているチームは、リリースまでの期間を短縮して、バグを早期に発見し、かつては数スプリントを要していた作業を自動化することができます。しかし、導入が拡大するにつれ、財務・調達・プラットフォームの各チームから、AIへの支出に制限を設けてほしい、予算を予測し管理できるようにしてほしいといった声も高まっています。
AI導入拡大の最大の障壁は、テクノロジーへの懐疑心ではありません。支出管理に対する不安です。予算上限がなければ、忙しい月に予期しない費用が発生するリスクがあります。ユーザーごとの上限がなければ、一部のヘビーユーザーが月末前にチームのクレジットを使い切ってしまう可能性があります。どちらの仕組みもなければ、ソフトウェア開発においてエージェント型AIの活用を拡大したいエンジニアリングリーダーは、予算承認のために多くの手順を踏まなければなりません。
一般提供(GA)の開始以来、GitLab Duo Agent Platformは利用状況のガバナンスと可視化の機能を提供してきました。GitLab 18.11では、GitLabクレジットの利用制御機能として、支出上限と予算ガードレールを新たに導入します。これにより、組織はクレジットの消費状況をさらに細かく管理し、透明性を高めることができます。
GitLab 18.11では、3段階でGitLabクレジットの消費を管理します。サブスクリプションレベルの支出上限、ユーザーごとのクレジット上限、そして上限の状態と適用状況の可視化です。
請求アカウントマネージャーは、サブスクリプション全体のオンデマンドGitLabクレジット消費に対して、月次の上限を設定できるようになりました。
設定の流れは次のとおりです。
Customers Portalで上限を設定します。上限は月次期間ごとにリセットされ、変更しない限り設定した上限が引き継がれます。利用データはリアルタイムではなく定期的に同期されるため、上限に達してから適用が有効になるまでの間に、わずかな追加利用が発生する場合があります。詳しくはGitLabクレジットのドキュメントをご参照ください。
クレジットの消費量はユーザーによって異なります。これは想定の範囲内ですが、一部のヘビーユーザーが共有クレジットプールを過大に消費してしまうことで、他のメンバーが月末前にアクセスできなくなる可能性があります。
ユーザーごとのクレジット上限を設定することで、特定のユーザーによる均等な上限を超えた消費を防ぐことができます。
サブスクリプションレベルの上限に達した場合、GitLabは請求アカウントマネージャーにメール通知を送信します。これにより、上限の引き上げ、次の期間まで待機、クレジットの再配分といった対応を速やかに行えます。
GitLab内では、グループオーナー(GitLab.com)とインスタンス管理者(Self-Managed)が、ユーザーごとの上限に達してブロックされたユーザーを確認し、GraphQL APIを通じて上限を調整することでアクセスを復元できます。
組織がAI導入を加速させるにあたり、ガードレールは不可欠です。その理由を以下に説明します。
GitLab Duo Agent Platformの利用制御機能により、オンデマンドのGitLabクレジットを活用することで、AIは予算として管理しやすい予測可能な支出項目に変わります。これにより、ソフトウェア開発ライフサイクル全体にわたってエージェントを展開しやすくなり、財務部門への説明、更新の正当化、四半期ごとの支出計画が容易になります。
大規模な組織では、AIの消費量を社内予算やコストセンター、部門方針と連携させる必要があります。ユーザーごとの上限は、プラットフォームチームがクレジットを均等に配分し、個人レベルで消費量を追跡するための明確な仕組みを提供します。APIによるインポート機能を使用すれば、エンタープライズ規模での上限管理も無理なく効果的に行えます。GitLabクレジットダッシュボードのユーザーごとの利用データと組み合わせることで、消費パターンを把握し、社内のチャージバックや予算配分プロセスの参考にすることができます。
多くのお客様は、GitLab Duo Agent Platformの展開を少人数のパイロットグループから始めます。利用制御機能により、そのパイロットを組織全体に拡大する際のリスクが解消されます。予算を保護するハードな上限が設けられているため、数百人から数千人の開発者にDuo Agent Platformを展開しても安心です。想定より早く利用量が増加した場合でも、上限に達するだけで、予期しない請求は発生しません。
多くのAIコーディングツールは、コスト管理にシートベースのアプローチを採用しています。一定数のシートを定額のユーザー単価で購入する、シンプルではありますが、柔軟性に欠けるモデルです。開発者がツールを1日10回使っても、まったく使わなくても同じ料金が発生します。さらにベンダーがシート料金に加えてプレミアムモデルや超過料金を導入すると、シートベースのライセンスで約束されていたはずのコストの予測可能性が損なわれていきます。
一方、GitLabのアプローチは異なります。ハードな上限と一元化されたガバナンスダッシュボードを備えた従量課金制です。チームが実際に使った分だけ支払うという柔軟性と、強制力のある支出上限によるコストの予測可能性を両立しています。
月次予算を守りたい中規模のSaaSカスタマーを例にとってみましょう。 200名のエンジニアリング組織では、オンデマンド利用の想定量に合わせたサブスクリプションレベルの上限を設定します。エンジニアリングVPは、新しいチームのオンボーディング中であっても、GitLab Duo Agent Platformの支出が承認済み金額を超えないことを財務部門に自信を持って説明できます。月の途中で上限に近づいた場合、請求アカウントマネージャーに通知が届き、上限を引き上げるか次の期間まで待つかを判断できます。
GitLabのお客様の中には、チーム間の利用を公平に保ちたいエンタープライズ企業とも多く存在します。 開発者2,000名を擁するグローバルな金融サービス企業がユーザーごとの上限を活用し、公平なアクセスを確保しています。複雑なリファクタリングプロジェクトに取り組むスタッフエンジニアにはAPIを通じて高い個別割り当てを設定し、多くの開発者には標準の一律上限を適用しています。クレジットプールを使い切るユーザーはおらず、プラットフォームチームはGitLabクレジットダッシュボードのユーザーごとの利用データを活用して消費パターンを把握し、四半期ごとの予算計画に役立てています。
利用制御機能は、GitLab 18.11を実行しているGitLab.comおよびSelf-Managedの両方のお客様にご利用いただけます。設定場所は、範囲とお客様の役割によって異なります。
サブスクリプションレベルの上限
請求アカウントマネージャーは、Customers PortalでサブスクリプションレベルのオンデマンドGitLabクレジット上限を設定します。
Customers Portalにサインインします。ユーザーごとに一律の上限
一律のユーザー上限は、名前空間オーナー(GitLab.com)またはインスタンス管理者(Self-Managed)がGitLab GraphQL APIを通じて設定できます。利用可能な設定方法の最新情報については、GitLabクレジットのドキュメントをご確認ください。
カスタムのユーザー個別オーバーライド
ユーザーごとに異なる上限を設定する場合、名前空間オーナー(GitLab.com)とインスタンス管理者(Self-Managed)がプログラムで個別の上限を設定できます。これは自動化やInfrastructure as Codeのワークフローにも適しています。
利用状況と上限のステータスを確認する
利用制御機能はGitLab 18.11でご利用いただけます。組織全体にGitLab Duo Agent Platformを展開するにあたって適切なガードレールを要望されていたお客様は、ぜひこの機会にご利用ください。上限を設定し、より多くのチームにDuo Agent Platformを展開して、よりスピーディなリリースを実現しましょう。
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